理事長所信
- 第42代理事長 久保田 和幸 -

一緒懸命

~このまちをもっと、おもしろく。さっ、一緒に。~

【はじめに】
“一所懸命”という言葉は、中世の武士が代々受け継いだ、領地を命がけで守るところから生まれたそうです。
日本の高度経済成長を経て、バブル経済崩壊後以降、低成長率の続く30年を指し「失われた30年」という人もいます。しかし、この30年で日本や世界は大きく変化しました。デジタル化、ICT化の進行により情報は世界中を駆け巡り、インターネットサイトを使ったいじめ・犯罪が増加、“YouTuber”というインターネット上で動画を再生し得られる収入で生活をする人までいる時代となりました。また、グローバリズムの進展は、EUの拡大や中国・ロシアの経済成長によって、先進国G7・5億人の市場を、G20・40億人の市場へと変化させました。
そして、現在(いま)、平成の時代は終焉を迎え、新たな時代へシフトを始めています。
我々の生活は、平和で豊かになった様に思えます。しかし、日本の経済の豊かさは、首都へのヒト・モノ・シゴトの一局集中を生み、地方は高齢化、人口減少、地方経済の衰退等、市民は不安の中にあります。
それは、高度経済成長の時代から私達が目に見える資本ばかりを追求してきた結果ではないでしょうか。これからの時代は、目に見えづらい利益を大切にし、公益を重視した会社経営や組織運営が求められています。
42年前、1977年6月3日この街に峡西青年会議所が設立され、「修練」・「奉仕」・「友情」という3信条を胸に、多くの先輩方が、「まちづくり」・「ひとづくり」事業に邁進されてきました。そして2003年、峡西青年会議所が市民・行政を牽引して6カ町村が合併し新市「南アルプス市」が誕生しました。それは、各市町村の利益ではなく合併後の公益を考え導き出した選択であったと思います。
まちの現状を悲観的に捉えるのではなく、会員家族・シニアの先輩、関係諸団体、市民の皆様と“一緒”になって、今ある地域資源を活かし、新たな魅力を創造しながら、変化から希望の光を見出すことでこのまちの未来は変わっていくと思います。次世代の「明るい豊かな社会」の礎とすべく、本年も創始と変わらぬ高い志を持って活動していきます。

【総務】
“夢中で日を過ごしておれば、いつかはわかる時が来る。”      坂本 龍馬

私が青年会議所で一番最初に教わったのが、「時間は作るもの」ということです。その感覚は、様々な例会や事業に参加すること、会議に出席し規則正しい青年会議所活動をしてきたことで自然と身についてきました。青年会議所の基本は、ロバート議事法の会議です。会議を効率的に、そして質を向上させるために、会議へ臨む以前の準備や活発な委員会活動が重要です。そして質の高い委員会活動や理事会を行うために、クラウドサービスやSNS等を活用した先進的な情報発信・管理と対話や書面の通知といった従来と同じ確実な事務処理を行います。
広報活動も私達の大事な活動です。情報が溢れる現代社会の中でターゲットを絞り、品格のある情報発信を行い、私達の存在や活動を認知して頂くことが永続的な組織には必要です。全会員がストレスなく活動できる環境を整えるために、過去から学び未来を見据え、時代にあった組織運営を行ないます。時には厳しい事を言われて投げ出したくなるかもしれませんが最後までやり遂げてください。自分では気づきづらいですがきっと周囲は私達の成長に気づくでしょう。

【まちづくり】
“和を以て貴しと為し、忤ふること無きを宗とせよ。”         十七条憲法

この街の魅力は何かと問われたら、一番の魅力はそこに暮らす人、私達ではないでしょうか。私達はこの街の文化、歴史、風土、自然、スポーツ等で育まれてきました。まずは、街に暮らす人達が地域の魅力に気づき伝えていくことが重要であると感じます。本当に魅力的なものはすぐ近くにあります。いつも見慣れている景色。すぐ側にいる人。駅はありませんが近い将来、この街をリニアが走ります。海はありませんが、日本で2番目に高い北岳があり日本全国から多くの登山者が本市を訪れます。また、地場産業である果樹農業では様々な品種の果物が他県へ出荷され、最近ではワインやジャムなどの加工品も大手デパートで販売されています。本年はそんな日頃気づくことのできない魅力を調査し、今まで街の魅力を知らなかった人や世代へ伝えていきます。それにより、私達の街に人が訪れ交流・定住人口の増加へ繋げられるでしょう。
日本は自然界に存在するのものすべてに神が宿っているとされ、十七条憲法にもある様に「和」の精神が根付いています。「和」とは、それぞれが力を発揮して、調和がとれている状態のことです。自然界の神々への感謝と畏敬の念と「和」の精神とを受け継いでいるもの、それは「祭り」です。そして、地域活性化の最良の方法であると考えます。市民一人一人が「祭り」という一つの目標に向かい協力し合い地域の結束力を強くし、経済効果を上げ、更には本市の認知度の向上も期待できます。しかし、現状は予算減少や、人的・金銭的負担も含め廃止されている「祭り」も少なくありません。世代間・地域間交流が希薄になってきている今だからこそ、世代を越えてこの街に住む人や訪れる人が誰でも参加・交流できる行事が必要であり、歴史ある伝統は受け継いでいくべきであると考えます。まずは市内の「祭り」を調査・研究を行い、今後も次世代に「和」の精神を伝える活動を行っていきたいと思います。

【ひとづくり】
“人間はダイヤモンドだ。ダイヤモンドを磨くことができるのはダイヤモンドしかない。
人間を磨くにも人とコミュニケーションをとるしかないんだよ。”
Che Guevara チェ ゲバラ

この街にも大手企業が進出し、雇用が生まれ私達の暮らしは便利になりました。ICT化も進行し欲しいものは、買いに行くことなく世界中から玄関まで届く時代です。しかし、価格競争力を持たない個人店や個人事業主は衰退し、街の商店街をシャッター街へ変えてしまいました。
更に、世界的な経済不安、国の財政危機など私達の住む街や地域経済は明るい光が見えづらい状況ではないでしょうか。奇しくも明治維新から 150年が経ち平成の時代が終焉を迎えようとしています。いつも、時代の変わり目には夢と情熱を持った若者がいました。地域経済が潤い、活気溢れる魅力的なまちには現代の流れを敏感に感じ取り変化をチャンスに出来る青年経済人(リーダー)が今も昔も必要不可欠です。
そのため本年は、地域の青年達に、多くの学ぶ機会を提供します。そして、他団体との連携・協力を図ることで、その歯車を大きくします。更に、才覚あるグローバルな視点を持った青年経済人が日本や世界で活躍していくことでまちや地域経済の発展に繋がっていくでしょう。
2017年8月29日、日本の上空を北朝鮮のミサイルが通過し、太平洋へ落ちました。アメリカでは保守派の支持を受けたトランプ大統領が誕生し、その過激な発言や政策を世界各国が注目しています。世界の動向や、将来の日本、子供達の教育に不安を感じるのは私だけでしょうか。平和に慣れた私達の世代がそろそろ、政治にも積極的に参加すべき時にきています。民主政治とは、選挙によって選ばれた代表によって政治が行われますが、あくまでも主権は国民にあります。選挙は、国民が政治に参加する最大の機会であり、民主主義の根幹をなすものです。
しかし、近年国民の投票率は低下傾向にあり国民の政治への意識が薄れてきていることは間違いないでしょう。そのために、我々青年経済人が政治に関心を持つことはもちろん、子供達にも政治への関心を持ってもらえたら「明るい豊かな社会へ」一歩近づくと思います。インターネットによる選挙活動の解禁や、法改正による18歳以上への選挙権付与など若者が関心を持ちやすくなってきている現状を踏まえ、引続き公開討論会の慣行、市民の政治意欲向上を促す活動を行っていくことが私達の未来のために必要です。

【会員拡大交流】
“おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは心なりけり”高杉 晋作

時間の大切さ、美しい物事の考え方、相手を思う礼儀作法等、入会して約10年、青年会議所の諸先輩方に様々なことを学ばせていただきました。それが現在の自身の会社運営、地域との繋がりに活かされていると感謝しています。南アルプス青年会議所は現在27名の会員で活動をしています。卒業が40歳と定められた青年会議所活動は、常に組織の新陳代謝を図りながら運動を展開しています。そのため、会員拡大は私達が食事をとることと同じように、滞ってしまうと組織の機能は衰え、運動力は低下してしまいます。大事なルーティンである会員拡大を意欲的、効率的に行っていくために、本年は、例年にはない「おもしろい」拡大手法を模索し、明確な目標を定め実行します。
また、拡大を成功させるために重要なことは、現在(いま)共に活動している会員の満足度を上げることが重要であると考えます。もちろん、まちづくり・ひとづくり事業を協力、成功させる達成感は何事に変えがたいものですが、会員・会員家族の交流を促し結束力を強化していくことで更なる組織への満足度や帰属意識向上に努めて行く必要があります。
失敗を恐れずに活動している魅力的な会員が多く集まる組織であれば、一緒に活動したい仲間はきっと増えているはずです。

【ゆめづくり】
“夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。”               吉田 松陰

南アルプス市が誕生して14年が経過しました。私達の暮らしはどの様に変化したでしょうか?住みやすい街になりましたか?合併推進をしてきた青年会議所として過去と現在(いま)を振り返り、この街の諸問題を調査・研究を行う時にきていると感じます。合併を推進してきた当時と現在(いま)のこの街を見比べ、今後のまちづくりへ活かす機会を他団体や市民を巻込みながら考えていきましょう。また、それを基に、中・長期的な取り組みが必要な事柄に関しては、40周年時に発表したアクションプランをアップデートし、単年度では終わらせない活動を行なっていきます。
超少子高齢化を迎えた現在、青少年はこのまちの宝です。我々大人達がどんな夢を子供達に見せてあげられるでしょうか?まず身近にいる夢を叶えた大人達に触れ、交流を図る事で子供達は自然と夢を描くことができると思います。更に、現在夢を叶えようと真剣に頑張っている人や組織への支援・協力を行なっていくことも、地方創生を担う我々の重要な使命であると考えます。そして、我々会員も「あんな大人になりたい」と思ってもらえる様に、大きな夢を持ち日々明るく豊かな心で活動していきましょう。

【終わりに】
幼少期、釣りや絵を教えてくれたのは父の友人であるJCの大人達でした。家業の他に消防団や商工会等様々な活動をしていた父親を見るのは1日のうち朝だけで、どの家庭も父親は家にいないのが普通であると思っていました。
そして、いつの日か、そんな私もJCの大人になっていました。
父親達が活動してきた時代と私達の活動していく時代とは様々のことが変化しています。
家族は、「夫は仕事、妻は家庭」というものから「共に働き、家事は分担する」多様な価値観を認める時代になりました。会社経営もトップダウンからボトムアップの時代へ売上やシェアではなく、収益性や経営体質が重要視され、人材も育つのではなく、組織が育てる時代です。
しかし、今も昔も変わらないのは、「この地を愛し、この地の発展を願い将来に大きな夢と希望と情熱を持った多忙な青年の結集」それが南アルプス青年会議所であるということです。
まず、家庭や会社をマネージメントできてこそ、第3の居場所である青年会議所での活動ができると思います。2018年、42人目の理事長としてどの会員よりも成長させていただく機会を頂けたことを会員・シニアの先輩・関係諸団体・市民の皆様に深く感謝し、12月31日理事長の職を終える時、この“まち”と“ひと”の未来を少しだけ、明るく豊かにする事をお約束し、理事長所信とさせていただきます。

~このまちをもっと、おもしろく。さっ、一緒に。~

基本方針
1. 組織運営と広報活動
2. まちづくり事業の開催
3. ひとづくり事業の開催
4. 会員拡大・交流事業の実施
5. ゆめづくり事業の開催